(概要)
ポンテ・ロド=フェロヴィアリア・デ・ヴァレンサ(Ponte Rodo-Ferroviária de Valença)は、ポルトガル北部ヴァレンサとスペイン・ガリシア州トゥイを結ぶ国際橋で、ミーニョ川をまたぐ道路・鉄道併用橋である。1886年に完成し、設計にはエッフェル社の影響を受けた技術者が関わったとされ、19世紀末の鉄橋建設の粋を示す。上層を自動車と歩行者、下層を鉄道が通る**二層トラス構造**が特徴で、全長約400メートルの優美な鋼桁が国境の景観を形づくる。
橋の誕生により、ポルトとビーゴを結ぶ大西洋沿岸の交通が飛躍的に改善され、巡礼路サンティアゴ巡礼のポルトガルの道でも重要な通過点となった。ヴァレンサ側には星形要塞の旧市街が広がり、トゥイ側には大聖堂がそびえ、橋は二つの歴史都市を象徴的に結んでいる。国境検問があった時代には往来の門として緊張も帯びたが、EU統合後は自由な交流のシンボルへと役割を変えた。
構造はリベット接合の鋼トラスと石造橋脚からなり、潮の満ち引きや強風に耐えるよう設計されている。夕暮れには金属のアーチが赤く染まり、川面に映る姿が美しい。現在も国際列車と地域列車が行き交い、歩行者は上層の歩道からゆったりと国境越えを体験できる。
この橋は単なるインフラを超え、イベリア半島西端の歴史と文化をつなぐ“鋼の回廊”である。産業革命期の技術、巡礼の記憶、国境都市の暮らしが交差する場所として、今も人々に旅情と連帯の物語を語り続けている。
(アクセス)
ポルトガル側からはValença駅下車して徒歩3分程です。ヴァレンサ旧市街(要塞地区)から城門を出て10分程です。スペイン側からはTui駅下車して徒歩5分程です。トゥイ大聖堂周辺から旧市街を下り15分程です。➠ Map

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